これからの法改正の動き

これからの法改正の動き

「消費者契約法見直し」についての中間取りまとめを公表

超高齢化やデジタル化の進展等により、消費者を取り巻く取引環境は大きく変化し、誰もがトラブルに遭遇する可能性が拡大しています。
2025年3月に閣議決定された第5期消費者基本計画では、誰1人として取り残されることのない持続可能な社会を実現するために、

・一定のモデルとして「一般的・平均的・合理的消費者像」(情報や判断の機会等が与えられれば適切かつ合理的な決定ができる「強い消費者」像)を念頭に置いて「消費者と事業者間の情報の質・量、交渉力の格差」の是正を図ることのみではなく、現実の消費者がさまざまな脆弱性を有するという認識を消費者政策や消費者法制度の基礎に置き、そのような多様な消費者が安心して安全に取引に参画することを可能にする環境の整備を図ること

・他者の介入を排除し、消費者が独立して自由に意思決定をすることができさえすればよいとするのではなく、消費者が他者との適切な関係性のなかで自らの価値観に基づく「自分自身の選択」であると納得できるような決定を可能とし、また、一定の脆弱性があることで深刻な許容し難い結果に陥ることを回避可能とする環境の整備を図ること

といった考え方を基本とした「消費者政策の価値規範に関する考え方の転換(パラダイムシフト)」を目指すとしています。
これらの変化に対応し、消費者契約一般を規律する「消費者契約法」について見直すプロセスの一環として、消費者庁は同年11月に「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」を立ち上げ、ことし9月に中間取りまとめを公表しました。

4つの論点が示される

中間取りまとめでは、

(1)消費者の多様な脆弱性への対応
(2)消費者契約の各過程に関する必要な規律
(3)「解約料」の実態を踏まえた実効的な仕組み
(4)横断的な事項

の4つの論点が示されています。
消費者庁は、パブリックコメントを経て、早ければ来年の通常国会での法案提出を目指しています。

注目したい法改正の動向

  • 障害者雇用ビジネスに規制の網
  • 厚生労働省は労働政策審議会(障害者雇用分科会)で、企業が自社で障害者を雇用する代わりに、外部事業者に雇用管理や就労環境の提供を委託する、いわゆる「障害者雇用ビジネス」について障害者雇用促進法に定義を定め、事業開始の届出を義務化するなどの法規制の在り方についての方向性を示しました。
    年内に報告書を取りまとめ、来年の法案提出を目指しています。
  • 地震対策の強化
  • 9人が死亡した熊本地震の煙突倒壊被害を受け、有識者から建築基準法の改正等による法規制の検討を求める声が上がっています。
    そのなか、国土交通省は原因分析と対策の方向性について、有識者による議論をスタートさせました。
    金子恭之国土交通大臣(当時)は記者会見で、有識者会議の結果も踏まえ、関係省庁と連携して、必要に応じ、法規制も含めた具体的な再発防止策を検討することを表明しました。
  • 会社法制の見直しに関する意見集約
  •  「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案」に関するパブリックコメントの結果がまとめられました。
    この結果を踏まえ、株式交付制度、現物出資制度、バーチャル株主総会・バーチャル社債権者集会等についての見直しに関する要綱案の取りまとめが行なわれ、会社法の改正に向けての作業が進められます。
  • 感染症への備え
  • 厚生労働省の厚生科学審議会(感染症部会)では、感染症有事に即応するため、国内製造施設でワクチンや治療薬などの研究開発から製造・確保力の強化に至るまでの必要な一連の対応を平時から推進する、危機対応医薬品等(MCM)の利用可能性確保に関する支援・法制度等の在り方が検討されています。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック

まずはお気軽にご相談ください

ご相談・お問い合わせは、メール・お電話にて
随時受付ております。

042-722-4423

受付時間:平日 9:00~17:00までご対応しております。